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2026 年 3 月、jodycraft 氏が Zenn で**「GitHub Copilot CLI で Superpowers スキルを導入してみた」**を公開した。
GitHub Copilot に「開発ワークフローの型」を教えるSuperpowersというスキルライブラリを導入して、AI エージェントの自律的な開発フローを体験できる。
本稿はこの Superpowers の概要、導入手順、そして VS Code 拡張 vs Copilot CLI の比較を解説する。
Superpowers とは何か
Superpowersは、Jesse Vincent 氏が開発した AI コーディングエージェント向けのスキルライブラリだ。GitHub でトレンド 1 位になったこともある注目のプロジェクトで、MIT ライセンスの OSS として公開されている。
ひとことで言うと、「AI エージェントに開発ワークフローの"型"を教えるための教科書集」。
普通のプロンプトで「テスト駆動で開発して」と書いても、エージェントは気分次第で守ったり守らなかったりする。でも Superpowers のスキル定義は「テストを書く前にコードを書いたら、そのコードを削除してやり直す」くらい厳格に手順が書いてある。提案ではなく、ルールとして機能するのが面白い。
主なスキル一覧
全 14 スキルのうち、主要なものをまとめた。
| スキル名 | やること |
|---|---|
| brainstorming | コードを書く前に要件を深掘りし、設計を一緒に考える |
| writing-plans | 承認された設計をもとに、タスク単位の実装計画を作る |
| test-driven-development | RED → GREEN → REFACTOR の TDD サイクルを徹底する |
| subagent-driven-development | タスクごとにサブエージェントを起動して並列に実装する |
| systematic-debugging | 4 フェーズの体系的デバッグプロセスを実行する |
| requesting-code-review | 実装完了後にコードレビューを自動で行う |
| verification-before-completion | 「完了」を宣言する前に必ず検証する |
| using-git-worktrees | Git worktree で隔離されたブランチを作って作業する |
これらのスキルが自動的にトリガーされるのがポイントだ。たとえば「この機能を作りたい」と話しかけるだけで brainstorming スキルが起動し、要件のヒアリングから始めてくれる。
対応プラットフォーム
もともと Claude Code 向けに作られたが、いまは複数のプラットフォームに対応している。
- Claude Code — 公式プラグインマーケットプレイスから 1 コマンドで導入可能
- Cursor — プラグインマーケットプレイスから導入可能
- GitHub Copilot CLI — marketplace を登録してからプラグインインストール
- Codex / OpenCode — 手動セットアップ
- Gemini CLI — gemini extensions install で導入可能
GitHub Copilot CLI への導入手順
導入は2 コマンドで完了する。ここはスムーズだった。
ステップ 1: マーケットプレイスを登録する
Copilot CLI を起動して、以下を実行する。
/plugin marketplace add obra/superpowers-marketplace
Superpowers のマーケットプレイスが CLI に登録される。
ステップ 2: プラグインをインストールする
続けて以下を実行。
/plugin install superpowers@superpowers-marketplace
これだけ。新しいセッションを開始すれば、スキルが有効になる。
動作確認
新しいセッションで「help me plan this feature」のように話しかけてみる。brainstorming スキルが自動的にトリガーされて、「何を作りたいですか?」と質問してきたら導入成功だ。
VS Code GitHub Copilot 拡張への導入 — ここからが苦労話
GitHub Copilot CLI への導入はスムーズだった。でも VS Code の拡張で使おうとしたら一筋縄ではいかなかった。
問題:VS Code 拡張にはプラグインインストール機能がない
CLI には /plugin install コマンドがある。Cursor にもプラグインマーケットプレイスがある。
でも、VS Code の GitHub Copilot 拡張にはそれに相当する機能がない(2026 年 3 月時点)。公式の README を見ても、VS Code についての記載はなかった。
「え、VS Code では使えないの?」と一瞬焦った。
解決策:CLI でインストールしたスキルフォルダを VS Code に教える
調べてみたら、ワークアラウンドがあった。やることは 2 つだけ。
1. CLI でインストール済みのスキルフォルダの場所を確認する
Copilot CLI でプラグインをインストールすると、スキルファイルは以下のパスに配置される。
~/.copilot/installed-plugins/superpowers-marketplace/superpowers/skills
このフォルダの中に、brainstorming、test-driven-development、systematic-debugging などのスキルディレクトリが並んでいる。
2. VS Code の settings.json にスキルフォルダを追加する
VS Code の settings.json を開いて、chat.agentSkillsLocations にパスを追加する。
{
"chat.agentSkillsLocations": [
"~/.copilot/installed-plugins/superpowers-marketplace/superpowers/skills"
]
}
これで VS Code の GitHub Copilot 拡張が Superpowers のスキルを認識するようになる。
正直に言うと、この方法にたどり着くまで 30 分くらい試行錯誤した。CLI の /plugin コマンドの仕組みを調べて「あ、結局フォルダにスキルファイルがあるだけか。じゃあパスを教えればいいのか」と気づいた形だ。
もうひとつの壁 — VS Code での自律動作が不安定だった
スキルの認識まではうまくいった。でも、実際に使ってみると別の問題が出てきた。
症状:質問ツールを使いこなせない
Superpowers の強みは「エージェントがユーザーに質問して、要件を深掘りしてから作業に入る」というフローだ。brainstorming スキルは、ユーザーに設計意図を聞くために ask_user ツール(質問ツール)を使うよう定義されている。
ところが、VS Code の GitHub Copilot 拡張(GPT-5.4 を使用)では、このフローがうまく機能しなかった。具体的にはこんな感じ。
- 質問ツールを使わず、直接テキストで質問してしまう — ツール呼び出しではなく、チャット応答の中で「どうしますか?」と聞いてくる。こうなるとスキルの自律フローが途切れてしまう
- 途中で LLM が諦めてセッションが終了する — ブレインストーミングの途中で、質問を続けることを放棄して、中途半端な回答で終わることが何度もあった
せっかくスキルを入れたのに使いこなしてくれない——これはかなりもどかしかった。
回避策:明示的にツール使用を指示する
試行錯誤の結果、プロンプトに**「#askQuestions ツールを使って質問してください」と明示的に書く**ことで、ある程度改善できた。
この機能の設計を一緒に考えたい。brainstorming スキルに従って進めてほしい。
質問があるときは必ず #askQuestions ツールを使ってください。
完璧ではないが、こう書くとツール呼び出しの頻度は上がった。ただ、毎回これを書くのは面倒だし、「スキルが自動でやってくれるはずなのに、なんで手動で指示しないといけないんだ」という気持ちにはなる。
Copilot CLI ではスムーズに動いた
一方で、GitHub Copilot CLI で同じことをやると、この問題がほぼ発生しなかった。
CLI ではスキルの指示どおりに質問ツールを呼び出し、要件を 1 つずつ確認しながら設計を進めてくれた。途中で諦めることもなく、最後まで自律的にワークフローを完遂してくれる。
ここ、ちょっと面白いんだけど、同じスキル定義を読んでいるのに、実行環境が違うだけで動作がこれだけ変わる。CLI 環境のほうがツール呼び出しの制約が少ないか、あるいはコンテキストウィンドウの扱いが違うのかもしれない。
VS Code 拡張 vs Copilot CLI — Superpowers 利用の比較
両方で使ってみた実感を表にまとめた。
| 観点 | VS Code 拡張 | Copilot CLI |
|---|---|---|
| プラグインインストール | ❌ 直接不可(CLI 経由+パス設定が必要) | ✅ /plugin install で完了 |
| スキルの認識 | ✅ settings.json 設定後は認識する | ✅ インストール後すぐ有効 |
| 自律的なツール使用 | △ 質問ツールを使わず直接質問しがち | ✅ スキル定義どおりに動く |
| 長時間の自律動作 | △ 途中で諦めることがある | ✅ 数時間の自律動作も安定 |
| コード編集との統合 | ✅ エディタと一体で便利 | △ ターミナルベースなのでエディタは別 |
| セットアップの手間 | 🔧 CLI 導入+パス設定が必要 | ✅ 2 コマンドで完了 |
Superpowers をフル活用するなら、いまのところ Copilot CLI のほうが相性がいい。
ただし、コード編集の利便性は VS Code のほうが上なので、使い分けるのがベストだと思っている。自分の場合は「設計・プランニング・デバッグは CLI」「コードの細かい修正は VS Code」という棲み分けに落ち着いた。
やってみてわかったこと
Copilot CLI が想像以上に良かった
正直に書くと、これまで Copilot CLI はあまり使っていなかった。VS Code の拡張で十分だと思っていたからだ。
でも、Superpowers を導入してみて考えが変わった。CLI のほうがエージェントとしての自律性が高く、複雑なワークフローを任せるのに向いている。2026 年 2 月に正式リリース(GA)を迎えてからは安定性も上がっていて、これからメインで使っていこうと思う。
「スキル」という考え方が面白い
Superpowers を触って一番感じたのは、AI エージェントに「何をさせるか」だけでなく「どうやらせるか」を定義するという発想の面白さだ。
たとえば TDD スキルの定義ファイル(SKILL.md)には、こんなルールが書いてある。
テストを先に書かなかったら、書いたコードを削除してやり直す
これ、人間の開発チームでも「TDD やります」と言いつつ守れないことがあるのに、AI に徹底させるのは面白い発想だと思った。
プロンプトエンジニアリングの延長として、「スキルエンジニアリング」のような領域が広がっていく予感がする。実際、Superpowers には writing-skills という「スキルの書き方を教えるスキル」まで用意されていて、自分でスキルを追加できる仕組みになっている。
まとめ
- Superpowersは AI コーディングエージェントに開発ワークフローの"型"を教えるスキルライブラリ
- GitHub Copilot CLIには
/plugin marketplace add+/plugin installの2 コマンドで導入できる - VS Code 拡張には直接導入できないが、CLI でインストールしたスキルフォルダを
settings.jsonのchat.agentSkillsLocationsで指定すれば使える - VS Code 拡張ではツールの自律使用に問題が出ることがある。プロンプトで明示的に指示すれば改善可能
- Copilot CLI との相性が抜群。正式リリースを機に積極的に使っていくのがおすすめ
Superpowers に興味を持った方は、まず Copilot CLI で試してみるのが一番手っ取り早い。
参考:
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