Gemini を育てて自分に最適な説明をさせる方法
Gemini を育てて自分に最適な説明をさせる方法 | Zenn
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2026 年 3 月、Zenn で**「Gemini を育てて自分に最適な説明をさせる方法」**が公開された。

皆さんは AI に質問して、「うーん、なんか説明がわかりにくいな...」って思ったことありませんか?

AI に質問しても、専門用語が多すぎて逆にわからなくなることがある。

🐹「Laravel のミドルウェアって何ですか?」

🤖AI「ミドルウェアは HTTP リクエストをフィルタリングする機構で、レイヤードアーキテクチャにおけるクロスカッティングコンサーンを実現します...」

🐹「...は?」

AI は神ではない。質問に答えてくれても、それがあなたにとっての最適解とは限らない。

本稿は、Google 製 AI「Gemini」のGem 機能を使って、自分にとってわかりやすい説明をしてもらう方法を解説する。

ポイントは**「AI を育てる」**という考え方だ。

AI を育てるという発想

AI を使いこなすには、「自分に合った説明の仕方を AI へ教える」という発想が重要だ。

でも、毎回 AI に「初心者向けに」「専門用語は使わないで」などの指示を出すのは面倒だ。

プロンプトだけでは汎用的な答えになりがち

毎回プロンプトで指示を出しても、汎用的な答えが返ってくることが多い。

🐹「初心者向けに説明してください。Laravel のミドルウェアって何ですか?」

🤖AI「Laravel のミドルウェアは、HTTP リクエストの処理パイプラインに組み込まれる仕組みです。認証、ロギング、CORS 処理などに使用されます...」

🐹「いや、それは理解してるんだけどな...」

AI は「一般的な初心者向けの説明」をしようとするが、あなたの理解度や、どんな説明が好みかまでは考慮してくれない。

そこで、Gemini の**「Gem」**という機能を使って、自分に最適化された AI アシスタントを育てる方法を紹介する。

Gem とは

Gemとは、Gemini をカスタマイズして自分専用の AI アシスタントを作れる機能だ。

カスタム指示で、自分に寄り添った表現や説明スタイルを教えることで、毎回同じ指示を出さなくても、自動的にあなたに合った説明をしてくれるようになる。

Gem のいいところは、使いながらフィードバックして自分に寄り添った形でアップデートしていけるので、どんどん自分好みの AI へと育っていく。

自分に最適な説明をさせる方法

筆者が実践している「AI に AI を育てさせる」方法を紹介する。

登場人物:2 つの Gemini

この方法では、2 種類の Gemini を使う。

1. 右腕 Gemini(通常の Gemini)

カスタム指示を作成したり、改善したりする相談相手だ。

Gem として作成するのではなく、普通の Gemini として使う。

2. Gem(カスタマイズされた AI アシスタント)

実際に学習や作業で使う、自分専用にカスタマイズされた AI だ。

右腕 Gemini が作ってくれたカスタム指示をもとに作成する。

つまり、右腕 Gemini に Gem を育ててもらうという発想だ。

基本的な流れ

  1. 通常の Gemini にやりたいことを伝え、「カスタム指示を作って」と頼む
  2. 出力されたカスタム指示で新しい Gem を作る
  3. 使ってみて、自分が感じたわかりにくい箇所や嫌いな表現を出力と一緒に通常の Gemini にフィードバック
  4. カスタム指示を更新してもらう
  5. これを納得いくまで繰り返す

この方法のいいところは、自分でカスタム指示を考える必要がないことだ。

やりたいことを伝えるだけで、Gemini がカスタム指示を作ってくれる。

Step 1: 右腕 Gemini にカスタム指示を作ってもらう

通常の Gemini に、どんな Gem を作りたいかを伝える。

🐹「Laravel 学習用の Gem を作りたいです。私は PHP の基本はわかりますが、Laravel は初心者です。専門用語は使わず、わかりやすく説明してくれる Gem のカスタム指示を作ってください。」

すると、Gemini がカスタム指示を作成してくれる。

💎Gemini「かしこまりました。以下のカスタム指示で Laravel 学習用の Gem を作成してください:」

あなたは Laravel 初心者をサポートする優しい先生です。

【あなたの役割】

  • Laravel 初心者の質問に、わかりやすく丁寧に答える
  • 専門用語は極力使わず、使う場合は必ず説明する
  • コード例を必ず含める
  • 難しい概念は、日常的な例え話を使って説明する

【回答のスタイル】

  • まず結論を述べる
  • 次に「なぜそうなのか」を説明する
  • 最後に具体的なコード例を示す ...

Step 2: カスタム指示で新しい Gem を作る

Gemini が作ってくれたカスタム指示をコピーして、新しい Gem を作成する。

Step 3: 使ってみて確認

作成した Gem を使ってみる。

🐹「Laravel のミドルウェアって何ですか?」

💎Gem「ミドルウェアは、「門番」のようなものです。

例えば、お店へ入る前にスタッフが「会員証を見せてください」と確認しますよね。

これと同じで、ミドルウェアはページへアクセスする前に「ログインしているか」「権限があるか」などをチェックする役割を持っています。

具体的なコード例を見てみましょう:

// 年齢チェックをするミドルウェア
public function handle($request, Closure $next)
{
 // 18 歳未満ならホームに戻す
 if ($request->age < 18) {
     return redirect('home');
 }

 // 問題なければ次に進む
 return $next($request);
}

このコードは...」

おぉ!わかりやすい!

門番の例え話があるので、イメージしやすくなった。

Step 4: わかりにくい箇所を右腕 Gemini にフィードバック

でも、まだ改善の余地があるかもしれない。

例えば「コード例がもう少し簡単だといいな」と思ったら、右腕 Gemini に戻って相談する。

🐹「(出力結果を貼り付け) 説明はすごくわかりやすかったです!でも、コード例がちょっと難しかったです。もっと最小限のコードから始めて、段階的に説明してほしいです。カスタム指示を修正してください。」

💎Gemini「かしこまりました。カスタム指示を以下のように修正してください:」

【回答のスタイル】に以下を追加:

  • コード例は必ず最小限の例から始める
  • まず 3-5 行程度のシンプルな例を示す
  • その後、必要に応じて応用例を示す
  • コードの各行が何をしているか、コメントで説明する ...

Step 5: カスタム指示を更新

Gemini の提案をもとに、「Laravel 学習アシスタント」のカスタム指示を更新する。

Gem Manager から該当の Gem を開いて、カスタム指示を修正して保存。

Step 6: 再度使ってみる

更新した Gem で同じ質問をしてみると...

💎Gem「ミドルウェアは、「門番」のようなものです。

まず、一番シンプルな例を見てみましょう:

// リクエストをそのまま通す、何もしないミドルウェア
public function handle($request, Closure $next)
{
    return $next($request); // 次へ進む
}

これだけです!

return $next($request) が「次に進んで OK」という意味です。

では、チェック機能を追加してみましょう:

public function handle($request, Closure $next)
{
    // 18 歳未満かチェック
    if ($request->age < 18) {
        return redirect('home'); // 未成年なら帰す
    }

    return $next($request); // 大人なら進める
}

...」

完璧!これならわかりやすい!

このようにフィードバックを繰り返すことで、自分にピッタリの Gem が育っていく。

育てるコツ

1. フィードバックは具体的に

  • ❌ 悪い例:「なんかわかりにくい」
  • ⭕ 良い例:「『レイヤードアーキテクチャ』という言葉がわかりません。もっと基礎的な言葉で説明してほしいです」

どこが、なぜわかりにくいのかを具体的に伝えることで、右腕 Gemini がピンポイントで改善してくれる。

2. 用途別に複数の Gem を作る

右腕 Gemini がいれば、新しい Gem を作るのは簡単だ。

例:

  • 「Laravel 学習用」
  • 「エラー解決用」(エラーメッセージから原因を推測して、解決策を提示)
  • 「コードレビュー用」(コードの改善点を指摘)
  • 「英語技術記事の翻訳・要約用」

用途別に作ることで、より特化したサポートが得られる。

3. 会話履歴を活用

Gem は過去の会話を覚えている。

「前回教えてもらったコードを、もっとシンプルにできますか?」

「昨日質問したバリデーションの件なんですが...」

このように、連続した学習ができる。

この方法のメリット

自分でカスタム指示を考えなくていい

「どういう指示を書けばいいんだろう...」と悩む必要がない。

右腕 Gemini に「こういう Gem が欲しい」と伝えるだけ。

改善のサイクルが早い

わかりにくい → 右腕 Gemini にフィードバック → カスタム指示更新 → 確認

このサイクルが超早いので、どんどん自分に合った Gem へと育つ。

毎回同じ指示を出さなくていい

  • 以前:「初心者向けに」「専門用語は使わないで」「コード例も」...毎回書く
  • 今:質問するだけで OK!

時短になって、ストレスも減った。

説明の質が安定する

一貫したスタイルで説明してもらえるので、理解しやすい。

「今日は詳しい説明、明日は簡素な説明」みたいなブレがない。

自分のレベルに最適化される

「PHP はわかるけど Laravel は初心者」という前提を理解してくれるので、難しすぎず、簡単すぎず、ちょうど良いレベルで説明してくれる。

注意点

Gemini Advanced プランが必要

残念ながら無料では使えない。

月額 2,900 円(※価格は変更される可能性がある)かかるが、本気で効率を上げたい人には投資する価値がある。

AI の回答を鵜呑みにしない

育てた Gem でも、間違った回答をすることはある。

AI は神ではない。

重要なことは:

  • 公式ドキュメントで確認する
  • 実際にコードを動かして確認する
  • 複数の情報源を参照する

AI はあくまで「サポート役」だ。

フィードバックのスキルが必要

「なんかわかりにくい」だけでは改善が進まない。

具体的に伝える練習が必要だ。

でも、これ自体が良い訓練になる。

「何がわからないのか」を明確にする力がつくからだ。

この辺りは人に説明するスキルと似たものが必要になる。

こんな人にオススメ

  • プログラミング学習中で、AI の説明がわかりにくいと感じている人
  • 「専門用語が多すぎて逆にわからん!」ってなったことがある人
  • 毎回同じような指示を AI に出すのが面倒な人
  • 自分のレベルに合った説明がほしい人
  • AI 活用の効率を上げたい人

結論:AI は育てられる

AI は神ではない。

完璧な先生でもない。

でも、育てることができる

Gemini の「Gem」機能と「右腕 Gemini」を使えば、自分にとってわかりやすい説明をしてくれる AI アシスタントが作れる。

この方法のポイント:

  • AI を鵜呑みにせず、育てるという発想
  • フィードバックベースで改善していく
  • AI がどんどん自分に最適化されていく

最初のセットアップに時間はかかるが、一度作ってしまえば学習効率が劇的に上がる。


参考:

引用元・参考リンク

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