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2026 年 3 月、K-Dense がK-Dense BYOK(Bring Your Own Keys)をオープンソース公開した。これは自分の API キーで動作する AI 研究アシスタントで、170+ の科学スキル、250+ のデータベース、40+ のモデルに対応している。
サブスクリプション不要、ロックインなし、データは自分のコンピューター上に残る。本稿はこのツールの概要、機能、セットアップ方法を解説する。
K-Dense BYOK とは
K-Dense BYOK は、科学者、アナリスト、そして好奇心旺盛な人々のために設計された AI ワークスペースだ。
Kadyという AI アシスタントに質問やタスクを与えると、直接回答するか、 specialized な AI「専門家」を起動して徹底的な結果を提供する。
主な特徴
- 170+ の科学スキル - 生物学、化学、物理学、工学など多岐にわたる分野をカバー
- 250+ の科学データベース - 専門的な情報源にアクセス可能
- 40+ の AI モデル - OpenAI、Anthropic、Google、xAI、Qwen などから選択可能
- 500k+ の Python パッケージ - 科学的計算と分析をサポート
- ローカル動作 - データは自分のコンピューター上に残り、外部に送信されない
- スケーラブルなコンピューティング - 重い処理は Modal でクラウド上で実行可能
必要なもの
K-Dense BYOK を動作させるために必要なものは以下の通りだ。
必須
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| コンピューター | macOS または Linux(Windows は WSL で動作) |
| OpenRouter API キー | AI モデルへのアクセスに必要 |
オプション
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Parallel API キー | ウェブ検索機能を有効化 |
| Modal クレデンシャル | 重い処理をクラウドで実行する場合 |
セットアップ方法
ステップ 1:リポジトリのクローン
git clone https://github.com/K-Dense-AI/k-dense-byok.git
cd k-dense-byok
ステップ 2:環境変数の設定
kady_agent フォルダ内に .env ファイルを作成する。
# Your OpenRouter API key (required)
OPENROUTER_API_KEY=paste-your-key-here
# Enables web search (optional)
PARALLEL_API_KEY=paste-your-key-here
# Leave these as-is — they connect internal services
GOOGLE_GEMINI_BASE_URL=http://localhost:4000
GEMINI_API_KEY=sk-litellm-local
# The default AI model Kady uses (you can change this in the app later)
DEFAULT_AGENT_MODEL=openrouter/google/gemini-3.1-pro-preview
# Remote compute — only fill in if you have a Modal account (optional)
MODAL_TOKEN_ID=
MODAL_TOKEN_SECRET=
最低限、OPENROUTER_API_KEY を設定する必要がある。他はオプションまたはそのままにしておく。
ステップ 3:起動
chmod +x start.sh
./start.sh
初回実行時は、不足しているツール(Python パッケージ、Node.js、Gemini CLI)を自動インストールし、科学スキルをダウンロードする。これには数分かかる。その後は起動が高速になる。
ステップ 4:ブラウザでアクセス
すべて起動すると、ブラウザが http://localhost:3000 に開く。これがアプリのインターフェースだ。
停止するには、ターミナルで Ctrl+C を押す。
アーキテクチャ
K-Dense BYOK は 3 つのサービスで構成される。
| サービス | ポート | 役割 |
|---|---|---|
| Frontend | 3000 | Web インターフェース - チャット、ファイルブラウザ、ファイルプレビュー |
| Backend | 8000 | Kady を実行し、専門家タスクを調整 |
| LiteLLM proxy | 4000 | OpenRouter を通じて選択したモデルに AI リクエストをルーティング |
メッセージを送信すると、Kady がそれを読み、直接回答するか専門家に委任するかを判断し、必要なツール(ウェブ検索、ファイル操作、科学データベース)を使用して、レスポンスをストリーミングで返す。
ファイル構造
k-dense-byok/
├── start.sh ← すべてを起動するスクリプト
├── server.py ← バックエンドサーバー
├── kady_agent/ ← Kady の脳:指示、ツール、設定
│ ├── .env ← API キーを配置
│ ├── agent.py ← メインエージェント定義
│ └── tools/ ← Kady が使用できるツール(ウェブ検索、委任など)
├── web/ ← フロントエンド(ブラウザで表示される UI)
└── sandbox/ ← ファイルと専門家タスクのワークスペース(初回実行時に作成)
BYOK のメリット
BYOK(Bring Your Own Keys)とは、単一の AI 企業にサブスクリプションを支払う代わりに、好みのプロバイダーから API キーをプラグインする方式だ。
- モデルの選択 - どのモデルを使うか自分で決める
- コスト制御 - 支出を自分で管理できる
- データの所在 - データがどこに行くか制御できる
- ロックインなし - 特定のプロバイダーに縛られない
K-Dense BYOK と K-Dense Web の違い
K-Dense BYOK は個人での使用に最適だが、より高度な機能が必要な場合はK-Dense Webが提供されている。
| 項目 | K-Dense BYOK | K-Dense Web |
|---|---|---|
| セットアップ | 必要 | 不要 |
| インフラ | ローカル | 管理済み |
| チームコラボレーション | 限定的 | 対応 |
| コスト | 使用量ベース | サブスクリプション |
| 対象 | 個人・研究者 | プロフェッショナル・学術チーム |
制限事項と注意点
モデルの選択
アプリのドロップダウンで選択したモデルは、Kady(メインエージェント)にのみ適用される。専門家の実行とコーディングタスクは、OpenRouter 上の Gemini モデルを介して常に Gemini CLI を使用する。
ベータ版
K-Dense BYOK は現在ベータ版だ。今後数週間で多くの機能とパフォーマンスの改善が予定されている。
Windows 対応
Windows では WSL(Windows Subsystem for Linux)を使用して動作させる必要がある。
結論:ローカル AI の新たな選択肢
K-Dense BYOK は、サブスクリプションベースの AI サービスに依存しない、新たな選択肢を提供する。
- プライバシー重視 - データは自分のコンピューター上に残る
- コスト制御 - 使用量ベースで支出を管理できる
- 柔軟性 - 40+ のモデルから選択可能
- 科学特化 - 170+ の科学スキルと 250+ のデータベースを備える
研究者、科学者、そして AI を実用的なワークフローに統合したい人々にとって、K-Dense BYOK は有力な選択肢だ。
参考:
引用元・参考リンク
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