2026年2月、FDAが承認したAI医療機器の累積件数が1,050件超に達した。2020年時点では130件だったことを考えると、わずか6年で8倍以上になった計算だ。この数字は何を意味するのか。
医療AIは「実験的な技術」の段階を終えた。承認件数の指数関数的な増加が、それを証明している。
承認件数の内訳を見ると、約75%が放射線科・病理科向けの画像解析AIだ。残りの25%が近年急増した眼科(糖尿病網膜症)・循環器(不整脈検知)・皮膚科(黒色腫)向けに当たる。言い換えれば、AI医療の「面」が広がっている。
市場規模の予測値もこのトレンドを裏付ける。2026年時点で628億ドル、2030年には2,082億ドルへ到達するとされる。2021年の111億ドルからの約19倍成長だ。
創薬の側でも数字は動いた。従来12〜15年かかっていた創薬プロセスがAI活用により6〜8年に短縮されつつある。アルファフォールド3がタンパク質構造予測を精度・速度の両面で革新したことで、最初の「標的同定」フェーズのコストが劇的に下がった。
日本では薬機法承認AI医療機器が280件超(2025年末時点)と、FDAの件数の約27%に留まる。電子カルテの標準化遅れとデータ利活用規制が主因で、創薬AI分野での国際競争力は依然課題として残る。
これらの数字から読み取れる判断は一つだ。医療AIは「面白そうな技術」から「実際に動く産業インフラ」に変わった。承認件数・市場規模・創薬期間の短縮、どの指標を見ても同じ方向を指している。投資家にとっては「これから来る」ではなく「すでに来ている」領域として評価し直すタイミングだ。
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