Lab Research Waymoが3,000万マイルを走れても、自動運転の普及は2030年代の話だ
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Waymoは米国12都市でレベル4ロボタクシーを商業展開し、累計走行距離が3,000万マイルを超えた。テスラのFSDはカリフォルニア州でレベル3認定を取得した。ホンダは第2世代レベル3車両を市場投入している。

技術は確実に前進している。だから「自動運転の時代が来た」と感じる人が増えている。

だが、これは誤解だ。

自動運転の普及を阻んでいるのは技術ではない。責任は誰が取るか、保険はどう設計するか、規制は何を認めるか——この3つの社会インフラがまだ整っていないことだ。


機械の構造:技術スタックは完成しつつある

センシング層(カメラ、LiDAR、レーダー、HDマップ)が収集したデータが、物体検出・意図予測・シーン理解のAIエンジンに渡り、ルート計画と行動決定が下される。このアーキテクチャ自体は、Waymoがすでに実証している。

レベル別の普及状況を見れば、技術の成熟度は明確だ。

レベル2(ADAS)は2026年に新車の76%に搭載される。対してレベル4は1.5%だ。技術の成熟と普及の間には、社会的障壁という溝がある。


現在の障壁:技術ではなく3つの非技術問題

障壁1:責任の帰属。レベル4で事故が起きたとき、責任はメーカーか、乗客か、道路管理者か。現行法制では明確に答えられない国がほとんどだ。日本では2023年改正道交法でレベル4の公道走行が可能になったが、事故時の民事・刑事責任の帰属は未整備のままだ。

障壁2:保険の再設計。自動車保険は「ドライバーの過失」を前提に設計されている。自動運転では「ドライバー」が存在しない。保険業界全体の商品設計とリスク評価モデルを書き直す必要があり、これには年単位の時間がかかる。

障壁3:地域ごとの規制格差。Waymoはサンフランシスコで完全商業化しているが、同じシステムが東京で走ることはできない。地域ごとに規制・地図・道路環境が異なり、グローバル展開のコストを押し上げる。


確率シナリオ

シナリオ 確率 帰結 前提
2028年に主要都市でレベル4商業化 35% ロボタクシー市場が急拡大。タクシー・配送業界が構造転換 米国・中国で法整備が加速
2030年代まで限定地域にとどまる 50% 保険・規制の整備に時間。ADASが主戦場で市場は着実に拡大 現状の進捗速度が続く
技術的事故で規制強化 15% 大型インシデントが世論を変え、普及が10年遅延 LiDARなしのビジョン方式で重大事故発生

帰結:何に投資すべきか

自動運転の2035年市場予測7,200億ドルは実現する可能性が高い。だが投資対象は普及タイムラインを考えて選ぶ必要がある。

2026〜2028年の実投資機会として確実性が高いのは「レベル4を待たなくても成長できる領域」だ——車載半導体(NVIDIA Drive Orin、Mobileye EyeQ Ultra)、LiDAR(Luminar、Innoviz)、そして90以上のOEMにADASチップを供給するMobileyeのようなサプライヤー戦略企業。ロボタクシーの商業化に賭けるのは、3つの非技術的障壁が解消されてからでも遅くない。

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引用元・参考リンク

免責事項 — 当記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。