Lab Research 金利 1% 上昇で国債価格は何%下落するか
目次
Hook
日本の 10 年国債利回りが 1.5% に達した。日銀の利上げ観測が強まる中、債券保有者は頭を悩ませている。
Thesis
金利が 1% 上昇すると、国債価格は約 8% 下落する——デュレーションという指標が示すシンプルな真理を、数字で検証する。
Evidence
デュレーションの基本
デュレーション = 債券の価格感応度(金利変化 1% に対する価格変化率)
価格変化率 ≈ -デュレーション × 金利変化
日本国債のデュレーション分析
残存期間別デュレーション(2026 年 3 月)
| 債券種類 | 残存期間 | デュレーション | 金利+1% の価格下落 |
|---|---|---|---|
| 2 年債 | 1.9 年 | 1.9 | -1.9% |
| 5 年債 | 4.8 年 | 4.7 | -4.7% |
| 10 年債 | 9.7 年 | 8.2 | -8.2% |
| 20 年債 | 19.2 年 | 14.5 | -14.5% |
| 30 年債 | 28.5 年 | 18.2 | -18.2% |
| 国債全体(平均) | 8.5 年 | 7.8 | -7.8% |
出典:財務省、Bloomberg
利回り水準による変化
| 利回り | 10 年債デュレーション | 金利+1% の価格下落 |
|---|---|---|
| 0.0% | 9.5 | -9.5% |
| 0.5% | 8.8 | -8.8% |
| 1.0% | 8.2 | -8.2% |
| 1.5% | 7.7 | -7.7% |
| 2.0% | 7.2 | -7.2% |
利回りが上昇すると、デュレーションは低下する(債券価格の金利感応度が低下)。
歴史的な金利上昇局面での検証
2022-2024 年:米国利上げ局面
| 指標 | 2022 年初 | 2024 年末 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 10 年債利回り | 1.5% | 4.5% | +3.0% |
| 米国債価格 | 100 | 78 | -22% |
| 予測下落率(D=7.5) | - | - | -22.5% |
実際の下落率とデュレーション予測はほぼ一致。
2013 年:日銀異次元緩和
| 指標 | 2013/4 | 2013/7 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 10 年債利回り | 0.5% | 1.0% | +0.5% |
| 日本国債価格 | 100 | 96 | -4% |
| 予測下落率(D=8) | - | - | -4% |
債券ポートフォリオの金利リスク
典型ポートフォリオのデュレーション
| ポートフォリオ | デュレーション | 金利+1% の損失 |
|---|---|---|
| 短期中心 | 3.5 | -3.5% |
| バランス型 | 6.0 | -6.0% |
| 長期中心 | 10.5 | -10.5% |
| 日銀(参考) | 12.0 | -12.0% |
損失シミュレーション(保有額 100 兆円)
| シナリオ | 金利上昇 | 損失額 |
|---|---|---|
| 小幅上昇 | +0.25% | -2 兆円 |
| 中程度上昇 | +0.50% | -4 兆円 |
| 大幅上昇 | +1.00% | -8 兆円 |
| 極端上昇 | +2.00% | -16 兆円 |
So What?
投資家への示唆
デュレーションを常に意識
- 債券ファンドのデュレーションを確認
- 金利上昇局面ではデュレーションを短く
ラダー戦略の活用
- 満期を分散させて金利リスク低減
- 2 年・5 年・10 年を均等配分
金利ヘッジの検討
- 金利上昇で収益する商品
- インフレ連動債の活用
数値の要約
日本国債 平均デュレーション:約 8 年
金利 1% 上昇 → 価格約 8% 下落
金利 0.5% 上昇 → 価格約 4% 下落
金利 0.25% 上昇 → 価格約 2% 下落
本記事は情報の提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。
引用元・参考リンク
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