Lab Research iDeCo出口で手取りを最大化する唯一の判断基準
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iDeCoの出口をめぐる議論の多くは「一時金か年金かどちらが得か」に終始する。これは問いの立て方が間違っている。

正しい問いは「退職金をいつ受け取るか」だ。これが決まれば、iDeCoの受取方法は自動的に導出できる。

出来事:受取方法3パターンの実態

iDeCoの受取には3つの選択肢がある。一時金受取(退職所得として分離課税)、年金受取(雑所得として総合課税)、そして両方を組み合わせる併用だ。

加入期間30年・受取総額3,000万円・別途退職金2,000万円という前提でシミュレーションすると、手取り額は次のようになる。

受取方法 手取り額(万円)
一時金受取 2,830
一時金+年金(併用) 2,750
年金受取(15年) 2,610

差は最大220万円。だが問題は、この「一時金有利」という結論が退職金との受取タイミング次第で根本から変わることだ。

解説:退職所得控除の仕組みと5年ルール

退職所得控除は加入年数30年なら1,500万円(800万円+70万円×10年)。さらに控除後の額を2分の1にしてから課税するため、実効税率は非常に低くなる。これが一時金受取を有利にする主因だ。

しかし2022年の税制改正で「5年ルール」が強化された。退職金を受け取ってから5年以内にiDeCoの一時金を受け取ると、重複する加入期間の退職所得控除が使えなくなる。

定年退職と同時にiDeCoを一時金で受け取ろうとすると、退職金とiDeCoの受取が同じ年に重なり、控除が食い合う。手取りが劇的に悪化するケースがここで生まれる。

隠れた意味:判断ツリーは実はシンプル

複雑に見えるが、判断基準は一つに集約できる。

退職金の受取から5年以上空けてiDeCoを受け取れるか?

空けられるなら:iDeCo一時金受取で退職所得控除をフル活用する。

空けられないなら:iDeCoを年金受取に切り替えるか、一部だけ一時金にして残りを年金で受け取る。退職金が少額または存在しないなら:iDeCo全額を一時金で受け取り、控除の空き枠を使い切る。

つまり

年金受取が本質的に不利なわけではない。退職金と一時金が重なるケースでは年金受取の方が有利になることさえある。「どの受取方法が得か」ではなく「退職金の受取からいつiDeCoを受け取るか」を先に決めることが、手取り最大化の起点だ。

60歳到達前に退職金の受取予定日とiDeCoの受取可能時期の両方を確認し、5年ルールの適用有無を試算しておく。それだけで、多くの人が見落としている200万円単位の差を回避できる。

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引用元・参考リンク

免責事項 — 当記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。