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日経平均は2024年に史上最高値の42,200円を記録し、2026年2月は38,500円前後で推移している。高値から約8%の調整だ。「過熱からの一時的な反落」と見る向きと「構造的上昇トレンドの継続」と見る向きが真っ向から対立している。
この二項対立を解消するには、現在の局面を歴史的前例と照合する必要がある。照合の結論:今回は「単なる株価上昇」ではなく企業行動の変化が伴っており、1990年代の反発局面と構造が異なる。
現在:数字が示すもの
東証改革(2023年3月)でPBR1倍割れ企業への改善要請が始まって約3年。PBR1倍割れ企業の割合は48%から29%に低下した。3割近い企業がまだ改善されていない一方、改善ペースは加速している。
商社はROE14.3%・PER9.8倍と、高収益・低バリュエーションの組み合わせが際立つ。銀行はPBR0.8倍で1倍割れ継続だが、利上げサイクルによる利ざや拡大期待から株価は底堅い。
過去との比較:1990年代の反発局面
バブル崩壊後の日本株は幾度も「底打ち反発」と言われながら長期低迷を続けた。1999〜2000年のITバブル、2005〜2006年の小泉改革相場、2012〜2013年のアベノミクス——いずれも株価は上昇したが、PBRの改善や株主還元の拡大を企業が「自発的に」実行する局面ではなかった。
今回との最大の差は「取引所が企業に対して具体的な行動変容を要求し、それが実際に起きている」点だ。政策保有株の削減、社外取締役比率の向上、自社株買いの拡大——これらは株価が上がったから企業が動いたのではなく、東証要請という「ルールの変更」に企業が反応している。
共通構造と帰結
過去の反発局面との共通点も一つある。海外投資家の参入だ。2024年の最高値更新は海外勢の大幅買い越しが主因だった。2026年に入って小幅の売り越しが続いているが、これは「トレンドの否定」ではなく「高値圏での利確調整」と解釈する方が過去のパターンと整合する。
ただし今回固有のリスクも存在する。日銀の利上げサイクルが円高を引き起こせば、輸出企業の収益を圧迫し、PBR改善の前提(ROE維持)が崩れる。また、PBR改善を「株価水準」でなく「実質的な経営改革」で達成できているかどうかは、企業ごとに精査が必要だ。
東証改革が「バブル崩壊後最長の構造転換」になるかは、2026〜2028年の企業行動の持続性が証明するかどうかにかかっている。
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