目次
毎月リバランスを行うポートフォリオは、年間約4.8%のコスト(手数料+税金)が発生し、15年後のリターンが「閾値リバランス」戦略より約24ポイント低くなる。
「マメにリバランスするほど良い」という直感は、データでは支持されない。
数値
前提:株式60%・債券40%の基本配分、2010〜2025年の15年間シミュレーション。
順位は「閾値±5%(346)>年1回(336)>毎月(322)>なし(307)」。最良と最悪の差は39ポイントだ。
手法別の年間推定コスト:月次4.8%、四半期2.2%、年1回0.8%、閾値±5%が0.6%、閾値±10%が0.3%。毎月と年1回で年間約4%の差がある。
解釈
毎月リバランスのコストが高い理由は3つある。まず特定口座での売買に約20%の税金がかかる。次に取引回数が増えると手数料も増える。さらに「高くなった資産を売る」行為を毎月繰り返すことで、上昇トレンドの恩恵を部分的に切り捨てる機会損失が生じる。
閾値リバランスが最も効率的な理由は逆だ。乖離が±5%未満の間はポジションを維持するため、上昇トレンドへの乗り方が長くなる。かつリバランスが必要なときだけ実行するので無駄な税務イベントが発生しない。
リバランスなしが年1回より劣る理由は、株式比率が上昇し続けるとリスク水準が目標を大きく外れるためだ。2022年のような下落局面で想定外の大きな損失を被り、心理的に投資継続が困難になる。
判断
NISA口座内であれば売却時の税コストはゼロになる。そのためNISA口座では閾値リバランスよりも積極的に実行できる。ただし売買手数料と機会費用は残るため、毎月は依然として過剰だ。
最も税コストを抑えるのは「売らずに積立先を変えてリバランス」する方法だ。株式比率が65%(目標60%)なら、当面の積立を債券に向けるだけで比率が是正される。売却不要でNISA枠も温存できる。
実践的な結論:半年に1回配分を確認し、乖離が±5%以上のときだけリバランスする。NISA口座内の調整を優先し、課税口座での売却は最後の手段とする。
免責事項 — 当記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。